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大阪駅の祈祷室に日本人のイスラム教徒として行ってみた感想

噂は聞いていました。JR大阪駅となんば駅にPrayer room(祈祷室)が新しく出来た、と。何故なら、私のムスリム友達がFacebookでちょくちょくこの宣伝をしていたからです。

しかし、実際ひもくみは行った事がありませんでした。なんせ、私はかなりインドア派のムスリマ(イスラム教徒の女性の事を言う)なので、あまり外出しないんです。ただ、興味は凄くありました。

何故かって?それは、日本でこんなPraying Room(祈祷室)が出来るって事は、それだけ日本にムスリム(イスラム教徒の事を言う)の人達が増えたと言う証拠だからです!

それでは、今回私が行って来たPrayer room in Osakaをご紹介していきたいと思います。

Praying Room(祈祷室)の意味

イスラム教徒達は、1日5回お祈りをしなければなりません。それぞれ決まった時間帯があり、その時間内にお祈りをする事になっています。旅行中であったり、その時の環境により、まとめて礼拝を行ったりする場合もありますが、基本的に礼拝が出来るのであれば、その時間内にする事が望ましいです。

日の出前の「Fajr」、お昼頃の「Dhuhr」、昼から日没までの「Asr」、日没直後の「Mghrib」、夜の「Isha」と分かれております。特に「Fajr」と「Maghrib」のお祈り回数は他と違って2回や3回だったりするので、お祈りの時間帯によっては早く終わったり、少し遅めになったりします。

通常、イスラムの人達はモスク(キリスト教で言う教会)でお祈りをするのですが、どの国でもモスクがそんなにどこでもある訳ではありません。もちろん、インドネシアやマレーシア、エジプト、トルコ等ムスリム(イスラム教徒)が多い国では日本よりもモスクが多いのは事実です。ですが、ショッピングに出掛けたりした場合に、このPraying Room(祈祷室)がショッピングモール内にある国もあります。そういった場所やお店や施設の空きスペースで、ムスリムの人達はお祈りする場合が多いのです。

JR大阪駅の祈祷室をご紹介!

まずは、祈祷室に行く前に、我々ムスリムは一度案内所(北インフォーメーション)に行かなければなりません。場所が分からなければ、駅員さんでも知っている程なので、聞いた方が早いかもですよ!因みに、これが案内所の写真。

Prayer room in Osakaの北インフォーメーション

ここで、受付のお姉さんに「お祈りをしたいのですが」と尋ねれば、「かしこまりました。」と用紙を渡されます。そこに、自分の氏名・国籍・人数等を記載していきます。

因みに、ひもくみはその受付のお姉さんにとって日本人は初めてだったらしく、驚かれました。そして、この案内所から祈祷室は離れているらしく、結構お姉さんと一緒に歩きました。

正直言うと、書面の記入と徒歩が少し面倒くさいと感じたので、そこを大阪駅のPraying roomは改善すべきだと私は思いました。そして、辿り着いた場所がこちら!

英語・日本語・ハングル・中国語で書かれた「祈祷室」

英語・日本語・ハングル・中国語で書かれた「祈祷室」の文字が!見た目は新設なのか、凄く綺麗でしたよ―――!!そして、中に入ってみるとすぐ目に映るのはウドゥー(お清め)の為の水道。

はウドゥー(お清め)の為の水道

そして、ここで嬉しい事に、ウドゥーが終わった後に水を拭くための紙が用意されておりました。ここ、大阪駅の祈祷室は本当に個室のように狭く、そんなに人も入りません。ですが、このようなサービスは日本ならではだと感じました。普段、私が行っているイスラム文化センターでは、まずありえない(笑)まぁ、どちらでもお祈りが出来るので、紙があってもなくても、どちらでも良いのですがね。

ウドゥーが終わった後に水を拭くための紙

さて、方角は?と見渡せば、なんと天井にメッカの方角を示すキブラが!なるほど、土地の狭い日本ならではの発想ですね・・・・!

大阪駅の祈祷室にある天井のキブラ

それでは、お祈りをしましょう!お祈りをする為の絨毯は、あまりアラブ諸国では見かけないスタイリッシュな青を使用しております(笑)クールでおしゃれと思ったのは、ひもくみ

大阪駅の祈祷室にあるお祈り用ブルー絨毯

普段は眼鏡を掛けていますが、お祈りの時には外します。そして、その眼鏡や荷物を置く為の棚にそっと置いてから、絨毯へと向かったのでした。

大阪駅の祈祷室にある棚

行ってきた感想としては、凄く綺麗だったけど、凄く狭かった!ってな感じです(笑)けれど、もし大阪駅で遊んでお祈りしたいというムスリムの方には、本当に適した場所だと思いました。これで、お祈りの場所が無いからと言って、家でまとめてお祈りしたり、道路などで行う必要はありません!こういう風にして、日本でもイスラム教徒達に配慮した場所が増えて行く事をお祈りします、インシャアッラー。

祈祷室に対する課題と提案

夏の日没までの時間が長い時期には、19時までだと「Maghrib」(4回目のお祈り)のお祈りが出来ない場合があります。最後の「Isha」のお祈りは最後なので、日の出前の「Fajr」までの時間内であれば比較的自由にお祈りできるのですが、「Maghrib」と「Isha」の時間帯が意外にきつかったりします。なので、利用時間の19時を20時までに延長して頂けると、とても助かります。少なくとも、日没までが長い夏だけでも20時までだと喜ばれるでしょう。

また、お祈り用のアバヤの衣装やヒジャーブ等の準備がされていると助かるムスリマ(イスラム教徒の女性)も多いでしょう。なぜなら、普段からヒジャーブやアバヤを身に付けているムスリマもいれば、普段は何も身にまとっていないムスリマ女性もいるからです。特に、チュニジア・モロッコ・トルコ人女性達は、何も被ってないけど「イスラム教徒」という方達が多い印象です。

ヒジャーブは強制ではありません。なので、被ってないからダメなイスラム教徒とかもないです、ホントは。イスラムは神と個人の関係を重視する宗教でもあるので、他人が口を挟む問題ではないんですね。そんな被っていないムスリマでも、お祈りの際は被らなければいけません。アッラー(神)に敬意を払う為にも!お祈りの際に被っていない人は、ひもくみもさすがに見た事がありません。そういう方達の為であったり、お祈り用のアバヤでしっかり正装したい人達の為にも、この衣装のレンタルは非常に喜ばれるでしょう。因みに、私が行ったインドネシアのPraying Roomでは、ハンガーに何着かお祈り用アバヤがあり、それを自由にムスリマの人達は使用していました。

最後に、祈祷室全体の提案をしたいと思います。祈祷室は、大阪駅やなんば駅などの主要な駅には出来ましたが、それでも日本は圧倒的にそういった場所は少ない印象です。また、日本は島国で小さい割に人口密度が高い為、そういう場所の新設は難しいというのも納得出来ます。そういう事情を考慮しての提案なのですが、大型ショッピングモールや百貨店等の化粧室やベビールームを祈祷室とシェア(共有)するのはどうでしょうか?

私自身、実はそういった場所を使用してお祈りをした事があるのですが、スペースも十分にあり、ウドゥー(清め)も近くに洗い場があるので簡単に出来ました。今まで述べたような大掛かりなものでなくても、場所があれば助かるイスラム教徒の方達は多いと思います。私が述べたような場所でなくても、どこか空いているスペースをリメイクして提供するだけでも、イスラム対応としてとても喜ばれるでしょう。以上、イスラム教徒の私が述べる感想と意見でした!

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