皆さんはアンマをご存じですか?インド好きの方はもしかしたら聞いたことがある、会ったことがあるかもしれません。そんな私も先日アンマに会ってきました。ハグ(抱擁)のイベントに参加してきました。何万人という多くの人がアンマにハグをしてもらうために会いに行くそうです。どうしてでしょうか・・・?
(https://www.facebook.com/MataAmritanandamayi/)
アンマってどのような人なの?
アンマとは、シュリー・マーター・アムリターナンダマイー・デーヴィさんのことです。彼女は抱きしめる聖者として世界中で知られています。
生きとし生けるものに対する無私の愛と思いやりで、アンマ(お母さんの意)もしくは、マザーと呼ばれ、世界中で広く知られています。アンマの人生はすべて貧しい人々の苦悩と、彼らの肉体的、そして、感情的な苦しみを減らすために捧げられてきました。実際の抱擁、霊性の叡智、エンブレイシング・ザ・ワールド(ETW)の活動を通して、アンマは苦しむ人たちに希望を与え、社会的に向上させ、内面を変容させています。全生涯をかけて、アンマは3400万人以上の人々を抱きしめ元気づけてきました。
(アンマとはより引用)
そして数々の賞も受賞されています。
- ガンジー・キング平和賞受賞
- 国連の経済社会理事会よりMAマートに特別顧問資格授与
- ニューヨーク・インターフェイス賞受賞
- シネマ・ヴェリテ賞
- ニューヨーク州立大学より名誉博士号(人文学博士)授与
アンマの生い立ちについて
シュリー・マーター・アムリターナンダマイー・デーヴィさんの生い立ちは、決して良いとは言えませんでした。彼女は貧しい村で生まれ、9歳の時に母親が病気になりました。そんな母親を助ける為、家事を手伝ったり、7人兄弟の世話をして生活していたのです。
私も驚いたのですが、シュリーさんは途中で学校を辞めています。辞めた後、家で飼っていた牛に野菜くずをあげるため、近所の家を周っていたある日のこと。
彼女は、自分の周囲の人々の貧困と苦しみに、初めて気付きました。ここから、彼女の慈悲深さが表れ始めるのです。シュリーは困っている人々に出会う度、色々と彼女のものをあげていました。彼女の家族も貧しかったので、家族は当然シュリーを叱りつけたり、お仕置きを与えました。
しかし、彼女はそれでもひるみません。若い時に、ここまで自分が人生において何をしたいのか、とはっきりと決めれる強さ。そして、強い意志で実行していく強さに私は感動しました。
シュリーの優しさは、いつしかものを与えるだけでなく、「ハグ(抱擁)」による慰めへと変化して行きました。こんな愛情深いシュリーを、人々は「アンマ(お母さん)」と呼ぶようになったのです。そして、アンマ自身も彼女の周りの人達を「子供たち」と呼ぶようになります。
彼女がお母さん(アンマ)と呼ばれる理由を、ハグしてもらった時に、私は分かった気がしました。あのハグの暖かさは、まさにお母さんのような暖かさだったのです。大人になった今、お母さんとハグはほぼしないに等しいので、アンマさんにハグされて嬉しかったのを憶えています。
ヒンドゥー教では、「カルマ」という考え方があります。カルマは過去での行いの結果が、現世で現れると考えられています。このカルマの考え方により、人々のステータスは決められ、苦しんでいる人達は過去の行いの結果だと、インドでは思われているのです。
しかし、アンマはこのカルマの原理に疑問を持ちました。「もし人に苦しみもがいているのならば、それを助け癒すのが私たちのダルマ(道義)なのではないか?」そう考えたのです。「助けの手=義務」という強い信念を持った彼女は、その信念を基に、彼女自身の生き方を確立していったのです。
他にも、アンマはインドのこんな風習にも疑問を持ちました。アンマの育った村では、14歳の少女が異性と触れるのを好ましくないと考えられていました。もちろん、彼女の両親もアンマを厳しくしつけました。
しかし、彼女は自分の良心に従い、男女関係なく苦しむ人々を慰めたのです。彼女にとって、「自分とは違う」存在に今まで出逢った事はなく、ある意味その人個人をちゃんと見る平等の精神を持った人なのかもしれませんね。
(参考:アンマの活動の原点より)
エンブレイシング・ザ・ワールド(ETW)とは?
エンブレイシング・ザ・ワールド(ETW)とは、アンマにより創設された国際的な非営利団体です。ETWが定める5つの基本的なニーズ(食べ物、住居、教育、医療、生活環境)を満たす事こそが、人間の基本的な権利だと考えています。そして、全ての人が他の人の人生に変化をもたらす力があり、全ての行為に意味があると信じていますETWは、アンマを中心として世界平和を日々望んでいるのです。
(参考:ETWについてより)
アンマの活動を支えるボランティアが世界中にいます。40以上の国にネットワークがあります。もちろん日本にもあります。私のインド舞踊の先輩の友人が、アンマのボランティアに参加していたのを覚えています。アンマが頑張りを認めてくれると名前をつけてもらえるので、頑張っているという話が記憶によく残っています。
ボランティアの内容を具体的に見てみたところ、様々な支援を行っていることが分かりました。
女性の自立支援:南インド全土の貧しい地域の10万人の女性に、その家族が生計を立てる助けとなる職業訓練および起業資金を提供しています。
教育の機会均等:学校に行きたくても学校に行けない学生(生活で精一杯である家庭は学校に行くための必要経費を出すことができない為)、そして成人教育のサポートをしています。
災害支援:天災に見舞われた地域への援助を迅速に行います。実は日本もETWにお世話になっています。災害の3日後にボランティアの皆さんが食料と水の配給を行っています。石巻市での2度のボランティア活動を経て、陸前高田市に集中的な支援を実施しました。長期的な支援を行っているとのことです。
住宅とスラムの改修:ホームレスの為に住宅を建設します。インドだけでも230万人以上のホームレスがいるそうです。また、それとは別にスラムの住人は170万人
いるそうです。家だけではなくコミュニティ作りにも力を入れているそうです。スラムの住人には、清潔な新しいアパートに引っ越せるように支援しています。
他にも、地域社会への支援活動や緑化活動など様々な支援を行っています。個人的に、住宅とスラムの改修の活動についての説明を見て驚きました。スラム街に住むためにも、たくさんの費用が掛かるということを知りませんでした。小屋を借りる為の費用、小屋を建てるための許可費用、さらには近くの電柱や電線から引いている電気を使うために払う費用です。スラムの住人にとっては高額ですし、余裕がなくなるので悪循環です。このような、悪循環から抜け出せるチャンスを作るWTWの活動は素晴らしいと思います。
アンマのダルシャンとは?
ダルシャンとは、ハグ、抱擁のことです。
アンマは世界各地で、ダルシャンを無料で行っています。アンマのハグはその日来た人全員のハグが終わるまで行われます。休憩なども、ほとんどすることはありません。
イギリスのBBCがアンマに「なぜハグをするのか」とインタビューしたことがありました。アンマは、
「それは川になぜ流れるのですか、と聞くようなものです。川はそういうもので、ただ流れるのです。同じようにこれがアンマのありようです。我が子に愛を表わす母親のように」
と言ったそうです。
(アンマのプログラム(ダルシャン) より引用)
マーター・アムリターナンダマイーの人生を描いた映画『ダルシャン - 抱擁』は2005年カンヌ映画祭の特別招待作品に選出されました。
国際映画賞を受賞した映像作家のヤン・クーネンが監督しました。ヤン・クーネン監督と製作スタッフは、2003年にコーチで開催されたマーター・アムリターナンダマイー生誕50年を祝う「アムリタワルシャム」のイベントから撮影を開始しました。撮影チームは、映画の完成までアンマと共に旅を続け、インドおよび世界各国で行われるツアーをフィルムに収めました。クーネン監督は、次のように語りました。
「この企画に関わって撮影を開始したとき、私は『アンマは善良な人で、良い事を行っている。お返しに何か彼女のためになることをしてあげよう』と考えていました。しかし、撮影が進むにつれて贈り物をもらったのは私の方だと気が付きました。」
(マーター・アムリターナンダマイー より引用)
実際にアンマのハグに参加してみた!
アンマがいらっしゃってから、30分ほどアンマのお話を聞き、祈ります。まず、自分の心をリラックスした状態にさせていきます。アンマは祈りはとても力があると言いました。アンマは、その後説明しました。
昔、宇宙にある衛星が地球に落ちてきてしまったことがありました。その時人々は祈りました。その結果、衛生の多くは海に落ち、少しだけ人の住んでいない芝生等に落ちたそうです。このように祈ることは大変力のあることです。
現在、世界では、たくさんの命が失われています。世界の平和を祈りましょう。とアンマは言いました。そしてみんなで想像します。
白い薔薇の花びらが落ちてきます。空や山、川に白い薔薇の花びらが落ちてきます。あなたのところに落ちていき、そして世界中に落ちていき、白い薔薇の花びらで世界が包まれます。
(https://twitter.com/ammachimes より)
アンマの話の後にハグが始まります。
アンマは一人ひとり丁寧に、同じテンションで人々に愛を込めてハグをします。
アンマは全員にハグをします。全員にハグをし終わったときに終わります。終電近くになったり、朝になることもあるそうです。順番を待っている間、アンマの言葉を語ってくださる方がいました。ハグまでの待ち時間がたくさんあるのでたくさんの話を聞くことができました。
(https://twitter.com/ammajapan より)
ある二人の男性が同じ時期に車を買いました。しかし二人共事故にあってしまいました。一人の男性は保険に入っていたため、もう一度車を購入することができました。しかし、もう一人の男性は、保険に入っていなかったため、借金を抱えてしまいました。この男性は「なんで、彼だけなんだ!」と不満を漏らしたそうです。しかし、この男性は保険を払っていなかったのです。準備していなかったのです。これがあなたの問題点よ。とアンマは言ったそうです。
お店を持っている男性に会いました。その店は代々継いでいてとても大事な店ということです。しかし、店の経営はとても悪かったのです。彼は、家族もおり、養わなければ行きませんでした。私は、200円を渡しました。このお金で新しい仕事のために面接に行きなさい。そして、彼は新しい仕事を見つけることが出来たのです。
twitterに載せられていたアンマの言葉をいくつか紹介します。
人生には、喜びと悲しみがちりばめられています。幸福なだけの人生も、不幸なだけの人生もありません。―アンマー
— 国際チャリティ協会アムリタハート (@Amritaheartjp) 2018年4月28日
「アンマ来日ボランティア説明会(4/29)の詳細はこちら☞https://t.co/isqZTkO9oB「第28回アンマ来日プログラム」の詳細はこちらhttps://t.co/YUTilzbhrg pic.twitter.com/eMvixOBrLG
愛と思いやりの力に並ぶものはありません。ーアンマー pic.twitter.com/yYRjCiAXAx
— 国際チャリティ協会アムリタハート (@Amritaheartjp) 2018年2月9日
愛はわたしたちの本質です。この愛は、カーストや信条、肌の色、宗教など、いかなるものの制約も受けません。わたしたちは、愛という一本の糸で繋がれたビーズです。その一体性を呼び覚まし、愛と奉仕のメッセージを広めて下さい。アンマ pic.twitter.com/UjphqLrs7o
— 国際チャリティ協会アムリタハート (@Amritaheartjp) 2016年4月29日
「謙虚でありましょう。そして、人生の終わりまで、初心者の心構えを保つようにしてください」−アンマ
— 国際チャリティ協会アムリタハート (@Amritaheartjp) 2015年3月4日
長くなりましたが、ついに私の番が近づいてきました。私はお花を買いました。薔薇、ひまわり、ブーケ、花束がありました。
アンマはオレンジが好きとお聞きしたので、オレンジのブーケにしました。アンマの前に来た時、最初にお花のブーケをかけました。そして、その後ハグをしてもらいました。ハグをしている時、アンマは「愛しい娘」と何度もささやいてくれました。
※アンマは、訪ねる国の言語や、ハグを受ける人の国の言語でささやきます。
男性は、愛しい息子と言われるそうです。
「マーマーマーマーマー」とささやかれるとき、
「マー」とは「聖なる愛・聖なる母」を意味するそうです。
そして薔薇の花びらをたくさんかけてくれました。ハグの時何故か涙が溢れました。そして不思議ですが、辛いものがなくなった感覚がしました。残ったのは、清々しい気持ちとポジティブな気持ちです。そしてたくさんの愛です。
ほんの一瞬の時間でした。しかし、この時間はとても長く感じました。ハグが終わると、パラサダムとして、チョコをもらいます。そして赤い薔薇の花びらももらいます。チョコは、必ず自分が食べてください。アンマのハグが終わった後は、近くにいることが良いとされています。ですので、少しの間アンマの近くにいます。
たくさんの人のハグを見ました。みなさん涙を流していました。赤ちゃんや子供は割りときょとんとしていたり、笑顔だった気がします。私はそのアンマのイベントの時間のことをよく覚えています。アンマの表情、仕草、会場の雰囲気です。忘れられない時間です。そして、私はこんなに愛に溢れている美しい人に初めて会いました。言葉では伝えきれません。アンマが世界中から愛されているということがすぐに理解できました。
このイベントは無料です。ここで販売されたものは、すべて寄付され、助けが必要な方の支援に繋がります。素敵な本、ショール、小物いれ、宝石等あります。カレーやチャイも販売されていました。良ければなにか購入できるといいですね。与えられたら、与える、これを繰り返すことで、誰かが施しを受けることが出来ます。また、私たちは誰かの愛によって施しを受けています。私は素敵なスケスケのドゥパタを購入しました♡インドの服を着るのが楽しみです。
みなさんもアンマのハグを体験してみてはいかがですか♡??
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