ラマダーン月とは?断食する理由やルールをまとめてみた。

ラマダーン月やサウム(斎戒)とは?断食理由やルールまとめ

イスラムといえば、断食のイメージがありませんか?「断食なんて、よくするな・・・。」と思われるも多いでしょう。ここでは、イスラームが教えるラマダーン月のサウム(斎戒)について。サウムとは、断食のことです。イスラム教徒になったばかりの人や、イスラム教徒でない一般の方でも理解してもらえるようまとめてみました。それでは、ラマダーンについて詳しく見て行きましょう!

ラマダーン月とは?

ラマダーン月はイスラームにおいて非常に重要な月です。ラマダーン月に預言者ムハンマドがマッカ(メッカとも言う)近くのヒラーの洞窟にこもっていた時、クルアーンの最初の啓示が下されたのです。

読め、「創造なされる御方、あなたの主の御名において。一凝血から、人間を創られた。」

読め、「あなたの主は、最高の尊貴であられ、筆によって(書くことを)教えられた御方。人間に未知なることを教えられた御方である。」

(凝血章第96章1~5章)

アッラーは、クルアーンの中でこう言われています。

ラマダーンの月こそは人類の導きとして、また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーンが下された月である。それでお前たちのうちこの月(家に)いる者は、この月中サウム(斎戒)しなければならない。

(雌牛章第2章185節)

なんと、イスラム教徒にとっての啓典コーラン(クルアーン)は、ラマダーン月に下されたのです。この月は、イスラームの聖月にあたります。このラマダーンの期間中、2つの事を薦められています。

まずは、クルアーンをいつも以上によく読むことです。ラマダーン月に一度、クルアーンの始めから終わりまで読破することを強く薦められています。

次に、お祈りや精神的な修養に時間を割くことです。義務のサラートは当然のこと、スンナのサラートやナフル(任意)のサラートもたくさん行なうべきです。ズィクル(アッラーの御名の唱念)やドゥアー(祈願)もいつもより多く行なうよう心掛けましょう。

ラマダーン月は、イスラーム暦の第9月にあたります。イスラーム暦とは、私たちに馴染みのある太陽暦とは違い、月の運行にもとづいた暦です。一年でおよそ11日短いので、ラマダーン月も毎年約11日間早く繰り上がっていきます。こうする事で、ラマダーン月は春夏秋冬全ての季節を、あなたの人生の中で経験する事が出来ます。これは世界中どの地域に住んでいるイスラム教徒でも、公平に全ての季節でサウム(斎戒)をしなければりません。

サウム(斎戒)とは、

(神仏に祈ったり、神聖な仕事に従ったりする場合に)飲食や行動を慎んで、心身を清めること。

Googleより)

という意味です。つまり、飲食しないので断食です。

サウムは冬と夏とで大変さが全然違います。冬は気候も寒いし日も短いので、サウムの時間も短く、のどの渇きもそんなに感じません。ですが、夏は暑く日も長いので、サウムの時間も長く、のどの渇きもひどいです。

もしサウムがある特定の季節に限られていれば、ある国のムスリムはいつも楽なサウムを行ない、他の地域のムスリムはずっと苦しいサウムを行なうことになります。ラマダーン月が毎年ずれてゆくことで、世界中のムスリムは全ての季節のサウムを体験することになります。

サウム(断食)する理由と目的

ラマダーン月のサウム(斎戒)はイスラームの五柱の内の一つです。つまリ、イスラームで最も重要な5つの義務の一つなのです。青年以上の男女は、ラマダーン月の1ヶ月間は毎日、日の出から日没までの間断食しなければいけません。

このサウムには、ちゃんと意味があります。最近では断食ダイエットなども流行っているせいか、健康の為と見られがちですが、決してそういう意味だけではありません。これは、アッラーに対する崇拝と服従を表す祈りの一つの形なのです。

今日の私たちがあるのは、創造主であるアッラーからのお恵みのお陰です。そんなお恵みに感謝する気持ちを再認識できる月。それが、ラマダーン月なのです。アッラーはクルアーンでこう語っておられます。

信仰する者よ。お前たち以前の者に定められたように、お前たちにサウムが定められた。おそらく、お前たちは主を畏れるだろう。

(雌牛章第2章183節)

サウムには、こんな効用があります。それは、自身の自制心を強くする作用です。私たちの社会には、欲望をそそるようなものが沢山あります。そんな欲望に支配されない為に、自らが欲望を支配しなければいけません。ラマダーン月では、そんな欲望に打ち勝ち、生活を抑制する精神的な強さを身に付ける事が試されています。

また、サウムをする事によって、食べ物を食べれない生活をする事になるので、貧困者の気持ちが理解でき、同情心や親近感が湧きます。そして、そういう他者への想いは何も貧困者だけに限らず、世界中のムスリム(イスラム教徒を言う)と繋がっているんだという同胞意識を芽生えさせます。医学的にも、断食は血液中の脂肪分をとり、腸内の細菌や乳酸の有害な働きを抑えるなど、健康にもよいことが解り始めています。

サウムの目的の一つは、貧困者への親近感を育て、余裕のある範囲で、できるだけ多くの施しをする事が薦められます。それは、何も金銭だけとは限りません。サウムが終わった夜に、人を食事に招いて一緒に食べる事もその一環です。

また、多くの人がザカートの決算日をラマダーン月にしています。一年の貯蓄の2.5%を貧しいムスリムに施します。サウム中でも、仕事をしたり買い物をしたりと、普通の生活を送る事は出来ます。ただ、ラマダーンという聖なる月に、自分という人間について深く考えてみたり、アッラーの偉大さなどを考える良い機会です。ラマダーン月を、有意義に過ごしてみましょう!

ルーヤ ・アルヒラール(新月の観測)

ラマダーン月の始まりと終わりは、新月の観測によって決まります。これをルーヤ ・アルヒラールと言います。新月は、肉眼で観察して決定されます。

イスラームの暦は月をもとにしているので、一日は日没から始まります。ムスリムの多い地域では、シャアバーン月(イスラーム暦8月)29日の日没後に子供も老人も建物の屋上や山の上に登って一心に目をこらして新月を見つけようとします。もしそれでシャアバーン月の29日に新月を見つければ、ラマダーンが始まり、その夜からタラウィーフのサラートが行われ、翌朝からサウムが行われます。

新月なので、月はとても細く、地平線の上に登っている時間は日没直後の短い時間なので、天気が悪かったり空気が澄んでいなければ月を見つけるのは大変難しいです。もし誰も月を見つけることができなかった場合、翌日にラマダーン月が始まります。

こういう事情もあり、国によってラマダーンの始まる日というのは違います。日本で新月が確認できなかった場合、一番近いイスラームの国であるマレーシアの日程に合わせることになっています。

サウム(断食)の時間やルール

さて、サウムは一体どうやって行うのでしょうか?サウムを始めるにあたっては、まずサウムをするニーヤ意志が必要です。口で言う必要はなく、本人がサウムすることを分かっていれば十分です。

サウムの時間はファジュル(夜明け前)からマグリブ(日没)までです。このファジュルとは、サラート(お祈り)で決められているファジュルの時間と同じです。サウムが始まる(ファジュルの)前に、軽く食事をとるようにしましょう。この食事のことをサフールと言います。これは、預言者ムハンマドスンナ(実践)でもあります。

サフールを食べるか食べないかで、断食をする時のしんどさも違ってくるので、なるべくサウム前に起きれるように頑張ってみて下さいね!しかし、この時の食事でお腹いっぱいにするのは好ましくありません。この時の食事には、あまり塩味のきいたものや、強い味付けのものを避け、タンパク質を多く含んだ食べ物が良いとされています。

サフールを食べる時刻は遅い方が良いですが、ファジュルまでには飲食を終え、歯を磨くなどしてサウムに備えるべきです。サフールを終えたら、この日一日のサウムを行なうというニーヤ(意志)を持ちます。たとえば、「アッラーよ。あなたの命令に従い、今日一日のサウムを行ないます」と意図します。

食事をしてからファジュルのサラートが始まるまでのしばらくの間は、クルアーンの読誦や祈りに費やします。そしてファジュルのサラートの時刻に入ったら、日の昇る前までにサラート(お祈り)をささげます。

ラマダーン月の間には、毎日5回の義務のサラートのほかに、預言者ムハンマドの慣習であったタラウィーフと呼ばれるサラートがあります。このサラートは各自または集団で8ラカー(礼拝の単位)、 10ラカー、または20ラカー行ないます。

実際にマスジド(礼拝堂)で行なう場合は、イシャー(夜)のサラートの後、スンナのサラートを終えてから集団で行ないます。 2ラカーごとに終了し、4ラカーごとに少し休憩します。タラウィーフのサラートの後に続けて、普段は各個人で行なうウィトルのサラートも集団で行ないます。もしイマーム(サラートの先導者)がクルアーン暗記者であれば、毎晩クルアーンをこのサラート中に読み、ラマダーン月のタラウィーフで全クルアーンを読み切ります。

ちなみに、私はタラウィーフがどうしてもしんどくなり、途中で辞めてしまいます。大体30分以上はお祈りをするので、イスラム初心者の方は年々少しずつ参加して行く事をおすすめします。私も、いつかは最後までタラウィーフが出来るのを待ち望んでいます!

サウム(断食)中の禁止事項

サウムを始めたら、昼の間は一切の飲食や喫煙、性行為をしてはいけません。ウドゥーの時に口をすすいだ水も、どさくさに紛れて飲んではいけませんよ!

さらに、口に入れたものを呑み込んだり、鼻や口から、あるいは注射器や座薬(肛門などに差し込んで使う薬)によって体内に薬や栄養剤を入れることもサウムを破ることになります。

しかし、うっかりとサウム中であることを忘れていて、無意識に飲食したり、何かを目に入れたりした場合、気が付いた時点ですぐにやめ、そのままサウムを続けても問題はありません。

香水、こう薬、化粧クリーム、外用薬の使用、歯を磨いて口を軽くすすぐこと、無意識に唾を飲み込むこと、身体を洗うことなどは、サウムを破ることになりません。以前、断食中に唾液も飲めないと勘違いされていた方がいましたが、それは間違いです。

食べたり飲んだり性交するなどしてわざとサウムを破った場合、その償いのため、後に自分で連続60日のサウムをしなくてはなりません。もし体力的にそれができなければ、破った1日につき60人の人に1日2食の食事をふるまうか、同等額のお金を施さなければなりません。

また、サウム中は口論や議論、他人の悪口や批判などは慎むようにしましょう。サウムを破る事にはなりませんが、断食中は、なるべく悪いものを避ける事が推奨されています。そして、普段よりも良い生活習慣を心掛け、多くの時間を崇神行為に費やすべきです。

サウム(断食)を破ってもよい場合

次の人達は、サウムをしなくてもよいことになっています。

  • サウムをすると病状が悪化する病人
  • イスラーム法で規定された 「旅行者」:つまり、80キロ以上の距離を移動し、現地での滞在が15日未満の意志で自分の町を出た人。しかし、旅行中でも特に苦痛なくサウムできるようであれば、サウムします。
  • 妊婦、および乳飲み子を育てている女性が、サウムによって胎児や母体に悪影響がある場合

以上の人々はサウムを遅らせることができますが、サウムのできない条件が終わり次第、後日できなかった分の日数、サウムをやらなくてはなりません。ラマダーン月の後、なるべく早く行なうようにしましょう。

  • 老人や虚弱なためにサウムにたえられない人:この人々は、サウムの義務を免除されます。しかし、もし金銭的に余裕があれば、補償金を払わなければなりません。自分がサウムできなかった日数一日につき、二食分の食事か、それに相当する金銭を貧しい人に施さなければなりません。
  • 思春期に達しない子供:子供のうちからサウムに対する心構えを持たせる為に、数日間、あるいは一日のうちの数時間だけでもサウムを体験させると良いでしょう。

老人や病弱な人、または小さい子供は、サウムをする必要はありません。そういう配慮が、イスラームにはあります。また、次の人はサウムをしてはいけません。

  • 月経期間中の女性:彼女はラマダーン月の後にやらなかった日数分、遅れてサウムを行ないます。
  • 出産後の出血がある間:彼女は出血が止まってからやらなかった分のサウム

病気や旅行、月経などの正当な理由がないのに、勝手にサウムを破るのはアッラーに対する違反になります。

ライラトゥ・ル ・カドゥル(力の夜)とは?

ライラトゥ・ル ・カドゥルはイスラームで非常に重要な夜です。アッラーはクルアーンで次のように語っています。

真にわれはこの(啓示を)ライラトゥ・ル ・カドゥル(力の夜)に下した。力の夜が何であるかをお前に理解させるものはなにか。力の夜は千月に優る。

(その夜)天使たちと聖霊は主の許しのもとにあらゆる所に舞い降りる。暁の明けるまでそれは平安である。

(みいつ章 第97章1-5節)

これはどういう事かというと、アッラーの啓示『コーラン(クルアーン)』は、ライラトゥ・ル ・カドゥル(力の夜)に天上から下されました。この一夜は、精神的価値において千月に優ると言われています。この夜が、何日になるのかははっきりと分かっていません。

しかし、ラマダーン月の最後の10日に探さなければなりません。ラマダーン月21日 、23日、25日 、27日 、29日は可能性が高く、特に27日(の前夜)の可能性が最も高いと言われています。そこでムスリムはこの夜を求めて毎晩祈りに時を費やすのです。

イスラームにおける夜とは、マグリブ(日没)からファジュル(夜明け前)までを意味します。その時間の中で、最も祈りが聞き届けられ、精神的に重要な時間は夜の最後の三分の一です。この時間に起きてタハッジュド (深夜礼拝)をすることには大きな価値があります。

イイティカーフ(お籠もり)のやり方

イイティカーフとは、お籠もりの意志とともにマスジド (礼拝堂)の中に籠もることです。預言者ムハンマドはいつもラマダーン月の最後の10日間にはイイティカーフをされました。世間から離れて、アッラーへの祈りやクルアーンの朗唱などに時間を費やす事により、通常の祈り以上の精神的な恩恵を受けます。イイティカーフの状態にある人は、眠っていても祈っているのと同じ状態にあると見なされるのです。

イイティカーフをするのに最良の場所は、マッカのカアバがあるマスジドゥ ・ル ・ハラームですが、どのマスジドで行っても構いません。ラマダーン月20日の日没前、お籠もりの準備をしてマスジドに入り、イイティカーフをするニーヤ(意志表明)をします。ひとたびイイテイカーフが始まったら、正当な理由なしに中断した場合、その分を後でやり直ししなければいけません。

イイティカーフはお籠もりなので、通常の生活をすることは許されません。基本的にマスジドの外に出ることができません。飲食や睡眠、着替えなど全てマスジドの中で行ないます。イイティカーフ中に外出しても許される理由は、次のようなものです。

  • 便所に行くこと:マスジドに便所があれば、その便所を使用しなければいけません。
  • 風呂に入ること:マスジドにシャワー室が備えてあれば、それを使用しなければなりません。
  • 食事を用意してくれる人が誰もいない場合、家に食べ物をとりに行くこと:しかし、食事はマスジドの中でしなければなりません。
  • 自分のいるマスジドで金曜礼拝がない場合、全曜礼拝に参加するために他のマスジドヘ行くこと

これら以外の理由、例えば家族に会いに家に帰るとか、葬式や見舞いに行くなどはイイティカーフを破ることになります。イイティカーフの最中は、1日5回のマスジドのサラートに参列し、サウムし、空いた時間はクルアーンを読んだり任意のサラートに費やします。特にラマダーン月の最後の10日間には、ライラトゥ・ル ・カドゥルのチャンスがあるので、深夜礼拝は欠かさず行なうようにします。シャウワール月の新月が確認されたならば、イイティカーフを終えることができます。

女性の場合は、自分の家の一角をイイテイカーフ専用の場所に定め、その中に籠もります。男性がマスジドに籠もる場合と同様、イイティカーフの最中は定められた理由なしにそこから出ることは許されません。ですから食事も家族の誰かに作ってもらうことになります。

参照 : 『イスラーム アキーダとイバーダ


いかがでしたでしょうか?ラマダーンの奥深さが、何となく分かりましたね。もしあなたがムスリムで、断食をしているのであれば、ラマダーン中にイスラームについて勉強をすると良いそうですよ!他にもラマダーン関連の記事を書いてみたので、ぜひ参考に♪

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