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若者の選挙離れの原因とは?投票率が低い4つの理由と問題点

若者の選挙離れの原因とは?投票率が低い理由と問題点を分析

何故若い人達は投票率がいつも低いのか?

そんな理由や問題点を、私なりに考えてみました。後半は学問的にも、選挙の棄権者の存在を証明しており、「若者が政治に無関心過ぎる!」という意見に、少しでも反論出来るのでは?と考えています。そんな若者の選挙離れの原因。一つ一つ見て行きましょう!

選挙運動や投票が時代遅れ

若者の投票率が低いと問題定義するのであれば、若者にも投票して貰えるような働きが必要でしょう。例えば、ネット投票であったり、メディアやSNSを使用した選挙運動であったり。

最近の若者は、圧倒的にLINEやTwitter、YouTube等を利用している人達がほとんどです。YouTubeでも弁護士の方がYouTuberとして活躍していたりします。なので、政治家もYouTuberとして政党のマニフェストを説明したり、信念を語ってみるのもありなのではないでしょうか?

若者の投票率が低い他の問題点として、投票日に投票場所に向かうのが一部の若者にとって難しかったりします。その理由は2点あります。

まず、大学が遠い為一人暮らししている大学生は住民票を移しておらず、地元以外で投票出来ない事が多いみたいです。一応、名前を書かない不在者投票制度というもので、投票自体は住民票に関わらず出来るらしいですが、それも書類を郵送して貰わなければいけないので何かと手間が掛かります。

二つ目に、投票日が休日な事が多く、忙しくて投票に参加できない若者も多くいます。なぜなら、最近の若者の働き方は非正規社員やアルバイトとして働く事も多いので、休日に仕事が入っている方もたくさんいらっしゃいます。そうです。純粋に投票に行く時間がないのです。

以上2点の理由により、若者は投票に向かう意識が低くなりがちです。インターネット投票だと場所と時間に縛られないので、投票率は今より高くなる可能性があるでしょう。

しかし、全員にネット選挙を義務付ける必要はないと思います。高齢者は圧倒的に若者よりも電子媒体に弱い世代でもあります。なので、ネット投票を一つの投票出来る選択肢として作れば、若者も投票に参加し易くなるのではないでしょうか?

デモクラシー(民主主義)教育の欠如

民主主義とはよく耳にする言葉ですが、日本ではどれほどこの民主主義を意識して実践出来ているのでしょうか?ヨーロッパでも投票率の低い国は多くありますが、スウェーデンやドイツなど、個人の主張や意見を大切にする教育を行っているような国では、投票率も高くなる傾向にあります。日本では民主主義を掲げている国ではありますが、本当の意味での民主主義の思想が根付いていないように思います。

そもそも何故民主主義の概念が根付いていないのか?

それは、教育でちゃんと政治の仕組みに関してや民主主義の重要性について習っていないからです。私も本当に不思議に思ってるんですが、社会で縄文・弥生時代をじっくりやりますが、近現代になってくると時間が無くなってくるせいか、走りがちになります。

また、第二次世界大戦が何故起きたのかを深く知る為にも、軍の皇道派と統制派の仕組みを知っておくと理解が深まりますが、そこまで詳しく学校では扱いません。近現代は説明が雑になりがちで、右翼左翼の違いなんかも分からずに選挙を行います。軍と政治についての授業は、日本教育ではタブー視して避けているのです。

授業の中では自ら主張する学生も少なく、大学生であっても政治の話をすると真面目ちゃんと思われ、なかなか真剣に政治について話す機会が少ない、というのが現状です。本当に若者の投票率を上げたければ、そもそもの政治教育について考え直し、民主主義についちゃんと学ぶ教育機会を与えなければ、いつまでたっても若者の投票率は低いままかもしれませんね。

政治に対しての危機感の無さ

日本という国は、自民党が圧倒的に強いし、どの政治家が選ばれようと「日本」という国は破綻しないと意識的に、誰もが思っているでしょう。もしも政治の影響により日本が破綻国家となる恐れがあるという危機感があれば、必然的に投票率は高まります。

たとえば、ベネズエラは破綻国家となり、最近ではアメリカ・カナダを始めコロンビアにすらもベネズエラ人が押し寄せて来ています。コロンビアでは、「ベネズエラみたいにならないように!」と若者も政治に積極的に参加している印象があります。

他にもエジプトの例を挙げると、アラブの春による民主化運動が起こり、民主政治を目指して果たしたものの、短期政治となってしまいました。その後、再び軍政党が政治を支配し、エジプト国民を苦しめています。エジプト人の若者もそんな政治情勢なので、かなり政治に対する意識は高めです。

「日本も発展途上国みたいな政治的危機感を持て!」とまでは言いませんが、他の国と比べて色々な面で平和ボケしている事は確かだと思います。そんな平和ボケ出来るくらいに日本の財政は良くありませんし、外交政策でも考えなければいけない問題は山ほどあります。そういう問題が日常の危機として迫ってくれば、日本国民全員が政治について真剣に考え始めるでしょう。国や政治に対しての危機感により、日本の若者の政治離れが減少する事も確かですよね。

投票率が低くなる理由を学問的に立証

投票率が低くなる原因には、ちゃんと理論的な根拠があります。これは理論なので、民主主義を掲げる先進国全てに当てはまる問題でもあります。それを、公共選択論という学問分野の中ではしっかりと立証してくれているので、その理論をなるべく分かり易く説明したいと思います。

今までの理由と問題点とは違って、少し学問的なお話なので、「難しい!」と感じる方は読まなくても大丈夫です。今から述べる事を簡潔にまとめると、代議制民主主義は棄権者を増加させるようなシステムである。そう言いたい事を、長々と分析しているだけのお話ですから(笑)

ダウンズの政党間競争モデル

「ダウンズの政党間競争モデル」と長いモデルですが、これはダウンズさんが投票行動について理論的に分析したモデルです。まず、この前提として押さえておかなければならないのが、小選挙区制であること。小選挙区制とは、

  • 一選挙区から1人当選
  • 過半数(51%)の票を獲得した候補者が当選

という特徴があります。また、候補者はそれぞれ自分の選好点を持ち、自分の選好に近い公約を掲げる候補者に投票者は投票します。候補者は得票最大化(当選)を目指して、公約(自分の立つ位置)を掲げるのです。このモデルを前提として、以下3つの事が言えます。

  • 候補者は得票を増やすために、パイの大きい中間の投票者(中位投票者)の位置へ、自分の掲げるマニフェスト(公約)を移動させていく
  • 中位投票者の選好を理解した候補者が、51%の票を獲得し当選を確実に出来る
  • 中位投票者モデルは、代議制民主主義への応用と言える

代議制民主主義について

「代議制民主主義って?」

と疑問に思われた方の為に詳しく解説します。みなさん、考えてみてください。投票を行うのに、全ての国民が直接投票を行う事には無理がありますよね?多くの場合、有権者(投票者)は、自分の選好を代弁してくれる政治家(候補者)に投票することで、間接的に政治に参加します。有権者に代わって政治家が意思決定を行う政治を、間接民主制あるいは代議制民主主義と呼びます。

政治家は当選を確実にしたいが為に、真ん中の層の投票を狙います。そうすれば、少数な層の投票を狙うよりも、その真ん中の層の要求を満たすマニフェストを掲げれば、自然と当選確実となるからです。

しかし、これが理論通りに行くと「棄権者」という存在も出てくる事になるのです。

投票棄権者の存在理由とは?

棄権者には、棄権をするだけの理由があります。それが、以下2点となります。

  • 疎外による棄権
  • 候補者の位置が自分の選好から離れすぎると棄権する(つまり、政治家の掲げる事が自分の思っていた内容と違っていたら、棄権する可能性がある)

  • 無差別による棄権
  • 2人の候補者の位置が自分の選好から等しい距離になると、両者の違いがなくなり棄権する。(つまり、2人の政治家の言っている事が大して変わらず、同じようなら棄権する可能性がある)

棄権者の存在理由を、グラフにもしてみました!

投票する際の棄権者の存在説明

グラフにしてみると、一気に分かり易くなりましたね。そして、投票を行う者、つまり有権者は常に以下の事を考えながら、棄権するかしないかを決定しています。

NB=P×B-C+D=合理的無知のモデル

投票者は、投票という行為の便益と費用を考えて、投票するか棄権するかを決めています。

NB=P×B-C+D

  • NB : 投票することから期待される純便益。これがプラスのとき投票、マイナスのとき棄権。
  • B : 自分の支持する候補者が選ばれたときの便益
  • P : 自分の一票が投票結果に影響を与える確率
  • C : 投票のコスト(情報収集のための費用/投票所に出向くための費用/投票することで他のことができなくなる機会費用)
  • D : 投票という行為から直接得られる便益、投票という義務を果たした満足感

まず、ほとんどの人にとってPは限りなく0に近いので、P×Bはほとんど無視できます。

参加のパラドックス

選挙への参加者(投票者)が増加するほど、選挙結果に影響を与えうる確率Pは低下します。よって、棄権する人が増えて行くのです。実際には、投票という行動自体を民主主義を支える国民の義務として考える人もいる為、投票する人も常に存在します。

しかし、代議制民主主義の形を取る事によって、自分への便益が減少、またはない故に棄権者の存在が多くなる。このダウンズ理論で、投票率の低下を少しは証明できたのではないでしょうか?つまり、人が多くなればなる程、自分の要求が通らなくなるから、「棄権」という選択をしてしまう。そういう話です。


いかがでしたでしょうか?若者の選挙離れの原因は、そんなに単純ではありませんでしたね。こんな問題点ばかりを挙げて来ましたが、皆さんぜひ一国民として選挙には参加しましょうね!という綺麗事で、最後は締めくくらせて頂きます(笑)

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